第38章 春恋パンケーキ
「冨岡さん、行ってきます」
「あぁ、もう行くのか。……今日は着物で良いのか?」
煉獄と宇髄の時も衣装で問題ありだったので、冨岡は内心ひやひやしていた。
「甘露寺様が衣装を用意してくれているようなので、向こうで着替えるんです」
「……そうか」
出来るだけ動きやすい物が支給されるだろうと考えていた。
「頑張って修練してきますね♪」
俄然、気合いの入っている白藤を見て冨岡も頬が緩んだ。
「あぁ、待ってる」
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「えっと、今日は甘露寺様の所と井黒様ですね」
甘露寺の屋敷。
「お邪魔します」
「あらあら、白藤ちゃん、いらっしゃい!」
「甘露寺様、お久しぶりです」
「じゃあ、白藤ちゃんも着替えて来てね」
はいと手渡された桜色のサテンの生地で出来た衣装に別室で着替えたのだが……
「白藤ちゃん。着替え終わったー?」
「着替えはしたんですが…これ、布地が少なくないですか?」