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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第37章 二人


「姉さん。俺も次に繋ぐよ。姉さんと錆兎の想いを」

「錆兎様?」

「ああ、後で話す。共に鱗滝さんの所で修行をして、同じ年の選別試験を受けた。俺にとっての英雄で一番の朋友(とも)だ」

「お聞きしたいです……」


涙を拭いながら、再び冨岡と手を繋ぐ。


教えて欲しい。
私の知らない貴方のことを。


そうして互いの事を知り合って、行き着いた先に幸福が芽吹いていることを願わずにはいられない。


願わくは戦いの終わったその未来(さき)も貴方の隣に居られるように。



「帰るぞ」

「はい」


再び、水の屋敷に向かって歩き出す。

吹く風が冷たくなっても、来た時よりもほんのり胸の内が温かいのは、隣の彼のおかげなのだと、白藤は思った。

月が照らす中、二人の影は寄り添ってゆっくり歩みを進めるのだった。




-了-

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