第37章 二人
「経緯はどうあれ、私も貴方を殺した鬼と相違ありません。違うのは、私には人を喰らう性がないことだけ……私が今ここに居られるのは私に利用価値があるからで、鬼殺隊にとって私の能力、回復は無くてはならないもの。生身で戦いに挑む隊士たちの唯一の対抗手段だからです…」
「白藤、もういい……」
「鬼である私を受け入れて下さった冨岡さんには感謝しかありません。本来なら私は隣にいる価値のない存在です。身勝手な願いなのは百も承知しています。でも許されるならば、来たるべきその時まで、どうか…どうか……隣に在ることをお赦し願います」
「お前の事を責める者は、ここには居ない」
涙を流しながら、鬼気迫る気迫で一心に祈る白藤に。
「白藤。お前を選んだ事に後悔はない。それだけは覚えていてくれ」