第36章 130,000PV御礼読切 麗しの君は
鬼化した青年が宇髄に迫る。
「ヒヒッ」
その時、見慣れた背中が目に入る。
「水の呼吸・肆ノ型 打ち潮」
ザンッ。
見事に首を落とされた鬼は灰になり消えていった。
「大丈夫ですか?」
声をかけてきた白藤に返事をする。
「あ、はい」
なんつーか、あれだな。
月光に照らされると、絵になるというか。
「日が沈むと鬼が出る。気を付けるんだな」
「冨岡さん。この方お一人のようですし、心配です。送って差し上げましょう?」
「いや、そんな…」
「はぁ、分かった。確かに夜道に女人の一人歩きは危険だからな」
ほんの少しだが、白藤の横にいた冨岡の表情が緩む。
なんだ、コイツ。
こんな顔もできんのか。