第5章 偽兄妹の交わり$(宇髄裏)
「白藤」
ぎゅ。
宇髄に力強く抱き締められる。
「兄さん…駄目。私たち兄妹なのに…」
「俺は、ずっとお前とこうしたかった…」
「キャー」
漏れ聞こえてくる二人の言葉を聞いて色めき立つ女郎達の声がする。
「まぁ、本番までしなくてもこれくらいやりゃあ、噂が立つだろ」
「え、おあずけですか?」
「なんだ、したいのか?」
「だってさっきそう言ったじゃないですか。実際私の食事ですし…」
ぷくぅと頬を膨らませる。
「昨日、冨岡食ってたじゃねぇか」
「昨日は昨日です!それに、鬼殺隊事態が弱体化してきて私の性欲に見合うのは柱の方々だけですもの…前みたいに御抱えがあるなら別ですけど……」
「御抱えってお前確か…」
「以前は煉獄家の方々が懇意にして下さって居たんですが、槇寿郎様は瑠火様と一緒になってから、さっぱりお呼びがかからなくなりましたし…」
見知った名前を聞いて、宇髄が即座に反応する。