第5章 偽兄妹の交わり$
「宇髄様、欲求不満なんですか?」
「違わいっ!!」
「はぁ。あ、冨岡さんは?」
「アイツ、あの羽織で目立つからな。脱がねえし。今日は荻本屋の見張りに行かせてる」
「そうですか」
「いやに残念そうだな。冨岡に惚れたか?」
「まさか、あんなおぼこ…」
「そうだよな。だからちょっと付き合え」
「えー、分かりましたよ」
「すまない、白藤。兄ちゃんが不甲斐ないばかりにお前にこんな苦労させて」
「昨日の今日で来なくても大丈夫なのに…」
「そんな事言ったって、昨日そのまま店に出たんだろう?お前が器量良しなのは重々承知してるが、昨日は初床まで…怖かっただろう?」
「兄さん…もう、帰って。兄さんがこのままここに居たら、私…」