第34章 今夜はお気の済むまま$ 冨岡夢
鬼殺隊本部に担ぎ込まれた白藤は目覚めるなり、当主耀哉の治療を一任され、交わっていた。
昨夜に引き続き媚薬が用いられ、白藤は耀哉の胸元に擦り寄るようにして同衾している。
昨夜が三人相手だったために、御館様の治療は何となく淡白に感じられ、白藤は己の熱を出しきれずにいた。
「済まないね」
「いいえ。すみません、私も…これ以上は…」
不完全燃焼とはこの事だろうか……
「充分だよ。お陰で会話ができる」
「耀哉様!ご無理は…は。申し訳ございません!」
「大丈夫だよ。上弦と戦った天元や無一郎、杏寿郎を回復してくれてありがとう白藤」
「勿体ないお言葉。私は…」
「白藤…あまり自分を卑下しないこと」
「う…はい」
「白藤、急で済まないが今日から藤の屋敷ではなく、義勇の屋敷で生活してくれるかい?」
義勇…?
「………御館様、冨岡さんのことでお間違いありませんか?」