第31章 110,000PV御礼 流るるままに$
「ったく、無茶してんのはどっちだっての」
禰󠄀豆子の変化を見届けて、気が抜けてからというもの、その場から動けなくなった白藤は宇髄に担がれ、唯一被害の少なかった宿屋に運ばれた。
「ごめんなさい…」
素足で駆けた白藤の足はあちこち擦り切れ、日光が当たったために、ふくらはぎには痛々しい火傷の痕が残っている。
「あんな陽射しの中に出てきやがって。あと少し遅かったら、お前の足が使い物に成らなくなるところだったろ?」
「そうだぞ、藤姫殿。他人の体ばかりじゃなく、自分の体も守らなければな!」
「ところで、どうして僕たちを集めたんですか?」
「そりゃ俺らが負傷してっからだよ」
「それが何か?」
「あぁ、時透は藤姫殿の治療を受けるのは初めてだったか?」
「治療?」
「ほら、白藤」