第30章 半天狗の最後
「ギャアア」
禰󠄀豆子が本体を捕まえようと手を伸ばすが届かない。
スカ。
速い。
追い付けない。
くそ、延々逃げ続ける気だな。
煉獄さんが潰れるまで。
雷の呼吸ってさ。
一番足に意識を集中させるんだよな。
筋肉の一本一本まで空気を巡らせる。
善逸が言ってたように、力を足だけに溜めて、溜めて。
一息に、爆発させる。
空気を切り裂く雷鳴みたいに。
ガキィン。
いけ!!いけ!!
今度こそ、渾身の力で。
「お前はああ、儂がああああ、可哀相だとは思わんのかアアア!!!」
半天狗の本体が巨大化する。
「弱い者いじめをォするなぁぁぁあ!!!」
炭治郎の刀は半天狗の頸を捕らえているが肉を斬りきれずにいる。
巨大化した半天狗が炭治郎の頸を握り潰そうとする。