第30章 半天狗の最後
シュウゥゥ。
みるみるうちに塞がる傷を見て炭治郎が声を上げる。
「うわぁ。白藤さん、スゴいです!治っちゃいました!」
「私の血鬼術です」
「そうだ、白藤さん。向こうにいる玄弥がスゴい怪我をしちゃって、体が穴だらけに…」
「……分かりました。炭治郎君は杏寿郎様から離れないで下さい」
何故か、煉獄の羽織を羽織っている白藤が炭治郎の頭を一撫でし、駆ける。
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煉獄が戦線に加わったため、憎伯天が思わぬ苦戦を強いることになる。
「チッ」
この男、柱だな。
炎の使い手か。
分が悪い。
やはり、一度退却を。
『半天狗』
無惨様の声!
「何でごさいましょう」