第30章 半天狗の最後
「え、ですが…」
「む?前抱きの方が良いか?」
「いえ、そうでは…」
「炭治郎たちの加勢にも行かなきゃ…」
ドサッ。
時透が倒れる。
どうやら貧血のようだ。
「ああっ!時透さん!!」
「すみません、皆さん。時透さんを何処かで静養させてあげて下さい」
「はい、任されました!」
鉄広が白藤の手を握る。
「あ、ズリィ!」
「ふふ。では、お願いしますね」
白藤がにっこり笑うと、仮面越しでも鍛治職人たちが赤面しているのが見てとれる。
「では行くぞ。藤姫殿」
煉獄が姫抱きし、白藤がその首に腕を回す。
ぎゅっとしがみつかれれば、自分の胸元に彼女の柔肌が触れる。