第29章 痣の出現
「うわ…」
「気色悪いですねー」
「………」
正直言って、薄気味悪い。
煉獄と時透ですら押し黙る。
「「………」」
「何とか言ったらどうだ。貴様らぁ!!」
「だって黙ってろって言ってたし…それにあんまり吃驚(びっくり)もしなかった…」
「うむ!気色が悪いな!!」
「貴様らには私の芸術を理解できないのだな。憐れな。そぅら、そろそろ二人揃ってあの世に送ってやろう。ヒョヒョヒョッ。血鬼術・一万滑空粘魚!!」
玉壺の壺から排出される小魚の大群。
「あー、めんどくさいな。霞の呼吸・陸ノ型 月の霞消」
ザシュ。
鉄穴森と子鉄少年が手を取り、喜ぶ。
「「やった。全部斬ったぁ!」」
しかし、日輪刀で斬られたとしても塵となる前に粘魚が撒き散らす体液は毒だ。
しかもこの毒は先程鬼の娘にも使った経皮毒。
浴びれば、終わりだ。
玉壺がニヤリとほくそ笑んだ瞬間。