第29章 痣の出現
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「…!!いや、いや私は…あなたの最初の刀鍛冶の書きつけ通りに作っただけで……」
「そうだったね。鉄井戸さんが最初に俺の刀を作ってくれた。心臓の病気で死んでしまった……」
「ふん、刀を何本取り換えようと同じことだ…」
「ああ、しっくりする…いきます」
スッ。
時透が刀を構える。
「霞の呼吸・伍ノ型 霞雲の海」
辺りが霞に包まれたかと思うと、みるみる内に蛸足が細切れになっていく。
「素早いみじん切りだが、生憎と…」
何だ?
あの痣は…?
「でかした、時透。あとは任せろ」
フッ。
霞の中で、煉獄が一足踏み込む。
高く跳躍した彼が真下に刃を振り下ろす。
「炎の呼吸・肆ノ型 盛炎のうねり!」