第29章 痣の出現
ガシッ
「時透!!」
「時透様!!」
バキャ。
壺の中から大量に現れた蛸足にあばら屋が破壊された。
「ヒョヒョッ。どうだ、思い知ったか」
「あ…」
あばら家には確か…
「鋼鐵塚さん…!!」
「あ、あれ…」
鋼鐵塚さん無事だった。
子鉄少年がほっとしたのもつかの間、鋼鐵塚は手に持っていた砥石を地面に置き、再び刀を研磨し始めた。
ジャコ、ジャコ。
まだ研いでる…
「あの…」
「あぁ、気にしないで下さい。あの人ああなると他のことが目に入らなくなるんです」
「いえ、鋼鐵塚さんが怪我をしてらっしゃるんですが…」
「あぁ、今手当てするのは危ないですよ。寝てる虎を起こすようなものです」