第27章 目覚め
今だ!
ガッ。
炭次郎が隠し持っていた空喜の足で錫杖を受け止める。
儂と同じ細胞の肉には雷が通じない。
この小僧、勘がいい。
戦いの機転がきく。
実に小賢しい!!
ザカッ。
炭次郎の刀が積怒の腕を斬り落とす。
この童。
さっきよりさらに速くなった。
いや、そもそも。
あった時点であの方の情報よりも。
桁違いの反射、戦いへの適応。
瀬戸際での爆発的な成長。
「隙ありぃ」
宇髄が対の刀で空喜の翼と舌を同時に斬る。
ドスッ。
哀絶が禰󠄀豆子の腹を矛で突き刺す。
「禰󠄀豆子!!」
一瞬動きの止まった禰󠄀豆子だったが、哀絶の角を掴み、自ら身を進め、哀絶の体にしがみつく。
禰󠄀豆子がそのまま爆血を発動させる。
まずい。
可楽、可楽はどこじゃ!?
可楽が炭次郎の背後へ回り込む。
獲った!!
可楽と積怒、双方共に確信したその時。