第22章 藤の花の屋敷の非日常$(不死川裏夢)
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別邸の藤の花の屋敷にて。
「鴉…」
「藤の花屋敷にて不死川療養、直ちに向かえ!」
「また?」
白藤が記憶している限りでは不死川が来たのはほんの一週間前だったハズだが。
「ご指名ですし、行きますか…」
あまり気は進まないが。
日除けの傘を被り、一路不死川が来た藤の花の屋敷へと。
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「あの、不死川様。傷の手当を…」
「白藤に任せるから良いんだよ…」
見てるこっちが痛々しいんですが?
「お、来たかァ?」
「不死川様、どうして手当を受けていらっしゃらないんですか?」
「んなもん、テメェに治してもらうからに決まってんだろ?痕も残らねェしな」
「だからって…」
あぁ、医者に睨まれている。
「はあ、分かりましたよ。不死川様、お部屋に…」
「お前も早く来いよ?」
「分かりました。では、失礼します」
屋敷の家人と医者に礼をして、不死川のいる客間へと急ぐ。
幸は白藤さんとはあまり面識が無いのですが、会えば丁寧に会釈をしてくれるので、本当に鬼なのかと目を疑ってしまうのです。