第21章 戦闘開始
斬った、でも…堕姫と妓夫太郎の時ように何かの条件を満たすまで死なないかもしれない。
「時透君、油断しないで!」
ドッ。
斬られた筈の半天狗の身体に異変が起こる。
分裂した!?
メキッ。
斬り落とした頸からは体が生え、体からは別の頭部が再生された。
「後ろは俺が!!」
時透の背後に回り、死角がないようにと視線を巡らせた、その時……
フォっ。
瞬間巻き上がった風に、時透の体が浮き上がる。
ばぎゃっ。
片方の鬼が持つ葉団扇の起こす風によって、時透の体が屋外に吹き飛ばされた。
「時透君!!」
ガラガラガラ。
家屋の一部が崩落する。
「カカカッ。楽しいのう、豆粒が遠くまでよく飛んだ。なぁ積怒」
「何も楽しくはない。儂はただ腹立たしい。可楽…お前と混ざっていたことも」
「そうかい。離れられて良かったのう」
時透君が飛ばされた。
この鬼達は、また頸を同時に斬らなきゃ駄目なのか!?