第17章 馳(は)せる
「何だ、人形かよ」
「ただの人形じゃありません。俺の先祖が作ったもので、百八つの動きができます」
「へぇー!!すごいね!」
「人間を凌駕する力があるので戦闘訓練に利用してるんです」
道すがら子鉄少年が説明してくれるのを、炭治郎が律儀に受け答えしている。
「そうか、彼は訓練のために。それを…」
「はい…だけど老朽化が進んで壊れそうなんです。あ。たぶん、こっちです」
少し開けた場所に出ると、絡繰人形と訓練する少年が一人。
「彼は…?」
木陰から出ないように気を付けながら様子を伺っていると。
「ありゃあ、時透じゃねぇか」
「あぁ、最年少の…」
ぎゃぎゃぎゃぎゃ。
それにしても、見事な体捌きだ。