第80章 家族の形$ 其の二
「あー、う!」
「本当に、小さい義勇さんみたい」
可愛いと言いながら勇輝哉を抱きしめる彼女を見て、複雑な気持ちになる。
「義勇さん、どうしましたか?」
気落ちしているのを悟られたのか、こちらを覗き込んでくる白藤に「大丈夫だ」と伝えようとして、けれども唇を引き絞った。
我が子に嫉妬するとは我ながら大人気ない限りではあるが、それでも……
「俺の事も……」
掠れた声は本当に小さくて……
「……義勇さんも、勇輝哉も私の大事な家族です」
腕に勇輝哉を抱いているから、白藤は俺の胸元に顔を寄せる。
下から見上げるようにして、顔を覗き込んでくる彼女を抱き竦(すく)めて俺は深呼吸をした。
「義勇さん。今日は藤の屋敷に行きましょうか」
「は?」
「その……私も、久しぶりに義勇さんと二人っきりになりたいな、なんて……///」
はにかむ彼女が可愛く見えて、冨岡は二つ返事で承諾すると、直ぐに出立準備を始めた。