第77章 契りて繋がる縁たち$(冨岡裏)
二組目は冨岡と白藤。
新郎もさることながら、新婦を藤の屋敷総出で送り出そうと背中に藤の屋敷の家紋、袖口に藤の花をあしらうなど手を尽くしてくれ、絢爛豪華な白無垢となっている。
薄く笑う彼女に紅が引き立ち、周囲が羨む花嫁に新郎の方がたじろいでいるようだ。
「とても素敵ですよ、甘露寺さん」
「しのぶちゃん、ありがとう!!」
「白藤さん、義勇さん、おめでとうございます!」
「ありがとう、炭治郎君」
見知った顔ぶれに囲まれ、盛大に祝ってもらう。
祝言は滞りなく進み、どんちゃん騒ぎの中集まりはお開きとなった。
「ところで、白藤さん。検診はいつにしますか?」
「胡蝶様、実は先程、珠世さんが来て下さいまして、ご懐妊との報告を受けました」
ほんの少しだけ、胡蝶の表情に影が射す。
「そう、でしたか。冨岡さんには、もう?」
「いえ、これからです。喜んでくれれば良いんですけど」
お腹に手を置く白藤。
「喜びますよ、冨岡さんは」
「胡蝶様。気持ちは声にした方がいいですよ」
「貴方に、言われたくありません!」
「分かってます、でも……」
「今更……私が思いを告げても……」
「胡蝶、どうした?」
「冨岡さん!?」