第77章 契りて繋がる縁たち$(冨岡裏)
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「さあさ、花嫁様方のお支度が整いましたよ」
「おっ、待ってたぜー。ほら旦那衆褒めてやれよ」
女将と宇髄の声掛けで振り返り、対面となった
新郎の二人は互いの花嫁の姿に言葉を無くして立ち尽くした。
「「…………」」
絶世の美女がいる。
お互いの伴侶を見た二人の認識は共通していた。
「ひゅー。めちゃくちゃ良いじゃねぇか!!」
宇髄の声でようやく我に帰った二人である。
「どうかな?伊黒さん」
「とても綺麗だ、甘露寺」
「本当!?ありがとう、伊黒さんも素敵!!」
甘露寺と伊黒がお互いを褒め合う中、冨岡は目の前に立つ白藤を見て緊張している様子だ。
「義勇さん、どうですか?」
「すまん。綺麗過ぎて、見惚れていた……///」
「ふふ。ありがとうございます。義勇さんも、とてもお似合いです」
「一回写真撮るってよー」
「はい!!」
先ずは伊黒と甘露寺が金屏風の前で一枚。
藤の花の屋敷で用意した白無垢。
今回は二組いるとの話で衣装の取り違えがないようにと端には薄桃色の桜の刺繍が施されている。
それが何とも可愛らしく甘露寺を引き立ててくれているのだ。