第77章 契りて繋がる縁たち$(冨岡裏)
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新婦控え室にて。
部屋に入るなり、女将に捕まった。
「白藤様、さあさお召換えを!」
「宜しくね、女将」
「いやですねぇ、昔みたいにミワで構いませんよ。甘露寺様のご支度はあと化粧だけですから、白藤様、手早く仕上げますよ!」
「分かったわ。甘露寺様、遅くなりました」
「白藤ちゃん、お寝坊しちゃったの?」
「ええ、まぁ……///」
着付けの為に襦袢姿になった白藤を見て甘露寺でも分かった。
白藤ちゃんが、朝遅かったのって……冨岡さんと二人で……てことー!?///
でもでも、新婚初夜って今日よね!?
「甘露寺様?」
「え?な、何でもないわよー?///」
ぎこちなくなる甘露寺を見て、皆が内心で初だなと思ったのは言うまでもない。
因みに藤の屋敷の使用人は大体藤姫の情事後の身体を見慣れているので、年嵩の上の者は基本的に動揺しないのである。
髪を結い、白粉を塗り、花嫁衣装の白無垢を纏う白藤は甘露寺から見ても、とても美しいと思った。