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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第77章 契りて繋がる縁たち$(冨岡裏)


違う、気付きたくなかった。


気持ちに蓋をしたのは自分なのだから。


だって、気づいた時には私が入る隙間は無くなっていて。


ずっと独りだった冨岡さんの隣には白藤さんがいて。


気付いてしまった。


私が欲しいものは全て彼女が奪って行ってしまったことを。


私の大好きなお姉ちゃんを助けられなかったくせに、私の好きな人まで取るなんて、憎くて堪らなかった。


だから、彼女の身体で色々な薬を試して鬼に効く毒を開発した。


奪われるくらいなら利用してやろうと思った。


許しを乞うぐらい痛めつけてやりたかった。


でも、あの日。


行方の分からなくなった白藤さんを探す冨岡さんを見て、もうこの気持ちは叶わないのだと理解してしまったから。


このまま、見つからなければいいと思った。


彼に近づけるならと。


でも、鬼に孕まされて居たのを見つけても、彼は白藤さんを見捨てなかった。


悔しかった。


私には見向きもしてくれないのに。


だって、彼女は鬼なのに……


私を見て欲しい。


その目に映して欲しいのに……


それは、もう叶わない……


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