• テキストサイズ

鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第77章 契りて繋がる縁たち$(冨岡裏)


虚しさから胡蝶は己の身体を慰める。


小さな体に大きな影を背負って。


目を閉じ、快感を求める彼女が何を思うのか。


魅影は知っている。


白藤の笑顔としのぶの泣き顔を。


あとは静かに、月光だけがその場を照らしていた。


魅影は音もなく飛び退る。


次の目的地へ向けて。



$$$



刀鍛冶の里。


カァン、カァン!!


鉄を打つ音が響く。


とはいえ、今里が作って欲しいと依頼されているのは日輪刀ではなく、家庭用の包丁である。



「毎日、刀の次は毎日包丁か……」

「手を止めるなー!!」

「うるせぇ!!」



鋼鐵塚蛍は木の上によじ登って月を見上げた。


里長の野郎、見合いしろだのうるせぇんだよ。


荒んだ心を落ち着かせようとした所だった。


バサッ。


羽音と共に月からの使者が降りてきた。


鋼鐵塚は魅影に目を奪われて、木から落ちた。



「いてて……こいつは、たまげたな」



純白の梟なんて滅多に見かけない。


/ 2016ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp