第77章 契りて繋がる縁たち$(冨岡裏)
というのも、各藤の屋敷にも鴉がいて、本部との取次を行っている。
負傷者の治療を行うこともあるため、怪我の善し悪しで蝶屋敷との橋渡しをすることもある。
実質的に隠が真っ先に駆け込むのが藤の屋敷で、医師の判断から蝶屋敷へ行くか否かが決められる。
その中で、藤の屋敷でも、蝶屋敷でも治療不能と判断された者は白藤の元へ送られる。
というのが、鬼殺隊の治療方針である。
基本的に白藤が柱担当なのは、底無しの体力自慢達の性欲対象という側面ばかりが目立ってしまう形になってしまっていたが。
下級の隊士達が対処出来ない鬼を柱が倒し、命からがら帰還するという流れから見れば、白藤の存在は鬼殺隊にとっての切り札となっていたのである。
ただ、白藤は鬼だ。
だから、産屋敷の本邸に囲うことは出来ず、苦肉の策として講じたのが藤の屋敷の離への常駐だったのだ。