第16章 御館様との逢瀬$
「私の代で鬼舞辻を倒すつもりでいても、仕留め損なえば私の病は呪いとなり輝利哉にも及ぶだろう。そうなる前に白藤の特性と治療法について輝利哉にも知っておいてもらわなくてはね」
「それは、お見せになるということですか?」
やんわりと言葉を濁して御館様に尋ねる。
「そうだよ。あまねに仕込ませる訳にはいかないしね」
笑顔で肯定され、白藤も少々困惑した。
「私は構いませんが…輝利哉様には刺激が強いのでは?」
「いや、いい機会だよ。輝利哉、よく見ておくんだよ?白藤、おいで」
「わかりました。血鬼術・不治露」
御館様との会瀬は必ず口付けからと決まっている。
舌を絡め、濃厚な口付けを交わす。
スーっと御館様の痣が薄まるがこれは一時的なものだ。
「輝利哉、白藤はね、相手に自分の体液を飲ませて病や傷を治してくれるんだよ」