第75章 君と二人で永遠(とわ)に眠るる
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あれから、時は過ぎ……
くいなと冨岡の間には一男二女の三人の子が生まれた。
「「お父様ー、天元と遊んでいーい?」」
宇髄の腕にぶら下がりながら笑う娘達。
くいなによく似た白髪の娘たちだ。
「構わないが。清凪(せいな)、雫流(しずる)。ヤツの言葉をまともに聞いてはいけないぞ」
「おい、冨岡。そりゃどういう意味だ」
聞き捨てならないと憤慨していると。
「天元はすけこましってお父様が言ってた」
「清凪ちゃん!?おいおい、冨岡!子供に変な言葉教えんなよ!!」
あからさまに顔背けて笑ってんじゃねぇよ!
「勇輝哉(ゆきや)からも父ちゃんに説教してやれよ!」
長男の勇輝哉は冨岡同様黒髪である。
「……二人共、くれぐれも天元の毒牙には気をつけるように」
「「はーい!!」」
「お前もか!!」
「ふふっ」
いつの間にか、くいな様まで笑っている。
描いていた理想とは違うものかもしれないが、これもまた彼の幸せなのかもしれないと天元は思った。