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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第75章 君と二人で永遠(とわ)に眠るる


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その晩のこと。


「義勇さん、その……」

「くいな様、どうかしましたか?」

「………祝言を終えたのです。『様』はよして下さい」

「では、何とお呼びすれば?」

「『くいな』と」

「………くいな」

「はいっ!!」



どど、どうしましょう……

自分で言っておきながら、改めて呼ばれるとこんなに、鼓動が跳ねるなんて……



「俺は先に休ませてもらう」

「え?新婚初夜は……?」

「くいなはしたいのか?」

「え!?その……」



あたふたするくいなを見て、冨岡は薄く笑みを浮かべる。



「俺は無理にしようとは思わない……くいなは、どうしたい……?」

「………っ」



自然に、それこそ身を任せれば後は殿方がと言っていたではないか……


と、くいなは胸の内で毒づきながら、目の前にいる冨岡にドギマギしてしまう。


「屋敷の慣例など気にする事はない。言いたいやつには言わせておけばいいんだ……何より自分の体だ。大事にしてくれ」



この人は、皆が思うより本当は凄く優しい人で……とても、暖かい……


誰よ、『水柱は氷のように冷たい』なんて言ったのは……



「お気遣い、ありがとうございます。義勇さん」


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