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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第73章 乞い願う、光を求めて


無限城から外に出た冨岡は陽光から白藤を庇いながら、街の路地裏に滑り込んだ。


陽光が完全に遮断される訳では無いが、日向よりはましだろう。


それに、これが最後になるかもしれないならば、彼女との時間を誰にも邪魔されたくなかったというのもある。




「………」



彼女は瞼を閉じて眠っている様に見えた。



「聞こえるか?白藤……」



どうにか絞り出した声は自分が思っていたよりもか細いもので……


このまま、目を覚まさないのだろうか……


俺はまた、大切な人を失うのだろうか。




彼女の体を抱え直し、唇を重ねる。


奇跡とやらが本当に有るのならば、俺が願うのは彼女と二人で笑い合う未来だ。


「起きろ、白藤……夜明けだ」



冨岡の声掛けに反応は見られない。


それでも……



「お前のお陰で大きな怪我無く、地上に戻ってこれた……皆無事だ……」


ぎゅっと彼女の手を握る。



「頼む……」

「………っ、さ……」

「……?」

「……ゆぅ、さ……」

「……白藤?」

「義、勇……さん……」


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