第73章 乞い願う、光を求めて
涙で滲んで白藤の顔が見えずらい。
でも、良かった。
冨岡は再び、彼女の身体を抱き締めた。
「白藤……もう、居なくならないでくれ」
「……良いんですか?私で……」
「俺は、白藤じゃないと駄目だ。他には何も望まない……愛している」
「………私も、です……」
後から彼女に聞いたところ。
「ほんの少しの間だけ夢を見ていたんです」
「夢?」
「舞山様が背中を押してくれたんです。お前の道はそっちだと」
「鬼舞辻が?」
「はい。それと、亡者は俺が連れていく。と」
「亡者……」
そう言えば、蘆屋道満の妄執は……?
「きっと、もう……」
「そうか。なら、もう心配要らないな。帰ろう、水の屋敷に……」
「はい……」