第75章 祝福の白は青と交わる$(冨岡裏)
食膳は珠世と愈史郎にも運ばれ、和やかな食事の時間が流れた。
「そういや、アオイ何処行った?」
「見てない」
「皆で配膳したんだし、まだ戻ってないってだけなんじゃない?」
カナヲも善逸もアオイを見かけていないと言うので、伊之助と愈史郎が探しに出かけた。
「アオイの奴、何処行きやがったんだ?」
折角あいつの為に食材持って来たのにと伊之助は鼻息を荒くする。
対する愈史郎は鴉に何やら耳打ちしている様だ。
「やめてください!!」
「おい、猪頭!あれじゃないのか?」
愈史郎が指差した方は身体が欠損した隊士たちが寝泊まりしている病室だった。
片腕とはいえ、男性隊士に腕を掴まれて動けない様子のアオイを見つけ、伊之助は彼女の窮地を救うべく、駆け出した。
「アオイ!!」
「伊之助さん!!」
「やい、お前!アオイを離せ!!」
「うるせぇ、頭のおかしい猪頭!!」