第75章 祝福の白は青と交わる$(冨岡裏)
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明くる日。
「アオイ、食え!!」
伊之助が風呂敷に包んできたのは舞茸、椎茸、松茸、栗、柿、山葡萄に薩摩芋といった秋の味覚がふんだんに入っていた。
「こんなに、沢山……」
「美味いもん食ったら元気が出るからな!!」
「伊之助さん……」
アオイちゃん、乙女な顔してるなー。
伊之助は全然気づいてなさそうだけど……
「ご馳走が作れそうですね、アオイさん!」
「とっても美味しそうです、アオイさん!」
「お料理お手伝いしますね、アオイさん!」
すみ、きよ、なほの三名も食材を前にして、気合いが入っているように見える。
「そうね、手伝って貰おうかな」
その様子をじっと見ている影があった。
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夕飯は炊き込みご飯や天ぷら、お吸い物など旬の食材を使った物がずらりと並ぶ。
流石に一人では食べきれないとアオイが固形物を食べられる隊士と伊之助達の分を拵(こしら)えてくれたので、総出で配膳の手伝いをすることになった。