第16章 秘湯を求めて$
「甘露寺様、出ましょう」
「えー、仕方ないわね」
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甘露寺部屋前の廊下。
「甘露寺様、髪乾かしますね」
「わー、ありがとう。終わったら白藤ちゃんのもやってあげるわね」
「いえ、私は…」
「にしても、覗きなんて許せないわ。ねぇ、白藤ちゃん!」
「そうですね…」
柱の風呂を覗くとは命知らずも居たものだ。
「あら?煉獄さーん、宇髄さーん」
ブンブンと手を振る甘露寺。
「甘露寺、それに藤姫殿ではないか!」
「杏寿郎様と宇髄様も温泉に?」
「何っ、二人とも先に入って来たのか?」
浴衣姿の二人を見て宇髄が声を上げる。
「はい」
「気持ちよかったよねぇ。白藤ちゃん」