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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第76章 違えし縁


「だとすれば、どうしたと言うのだ」

「いいえ、特には」


この薬師、鋭いのか、抜けているのか。


「誰しも理由があるものです。……さて、顔色から見るに血色が悪いようですな。昨夜は寝つけませんでしたか?」

「………関係ないだろう……」

「病は気からとも申しますが、休息を摂ることも必要ですからな。瞼の内が白い……血の気が足りないのでは無いですか?」

「………薬で治るのか?」

「いえ、食事で補って頂きます。鳥や豚の内臓を食べられるのが良いでしょう」

「臓物は……穢れだろう……」

「穢れを気にされるとは。やはり貴族の方でしたか」


やはり……?


「立ち居振る舞いで、位の善し悪しは分かるものですよ」

「薬師、名は何という?」

「野の草を使うしがない薬師です、そうですな。名乗るとすれば、私の事は『桂木』とでもお呼び下されば」

「分かりやすい、偽名だな」

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