第73章 乞い願う、光を求めて
前回のあらすじ↓
御館様、あまね様が息を引き取り、警護に当たっていた煉獄槇寿郎はまだ辛うじて息のあるご息女二名(ひなき様、にちか様)の治療の為に宇髄に白藤を連れて来てくれと依頼する。
御館様に後を頼むと託された願いを胸に抱き、槇寿郎は再び刀を握る。
振るわれる剣戟は現役時代を彷彿とさせるもので、宇髄は槇寿郎の背中と杏寿郎の所作を重ねて見るのだった。
時を同じくして。
炭治郎と杏寿郎は無限城の通路を進む。
不意に足を止めた炭治郎に杏寿郎は、無限列車で死の淵を彷徨った際の胸中を吐露する。
あのまま死んでもおかしくなかった。
己でさえそう思ったのだ。
だが、助かった。
白藤に生かされた。
それを機に杏寿郎は生き直す決意をしたのだと炭治郎に語った。