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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第76章 違えし縁


「薬師………詳しくお教え頂きたい」



蘆屋道満は、舞山に詰め寄った。



「私に頼むということは、後暗いご事情がお有りなのでしょうが……こちらも仕事として請け負うならばそれ相応に準備が必要となります……」



その声音は、いつかの暗い記憶を呼び起こすような、気色の悪い猫なで声に聞こえた。



後暗い記憶というのは、内裏に出仕を始めた四年前に遡る。



産屋敷は政(まつりごと)の裏稼業を担う一族。




人の恨みを買うのもまた道理であった。

貴族というものは皆総じて不自由である。



出仕してすぐに舞山は数人の同僚から目をつけられた。


舞山の容姿が抜きに出て優れているのを妬む者。

産屋敷に没落させられた家系の者。

体調不良を理由に出仕を休むことの多い舞山への腹いせを募らせる者。



貴族同士で集まるには宴が一番である。


酒の席で和歌を読むもよし、管弦を奏でるもよし。


誰しも得手不得手があるはずと、舞山は何度も呼び出された。



ある時は月夜の宴で和歌を読み、またある時は琵琶での演奏を披露して見せた。

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