第72章 乞い願う、光を求めて
雰囲気の変わった白藤は凛とした声で祝詞を唱える。
「白藤さん?」
別人の様な彼女を炭治郎はただ呆然と眺めていた。
「天津神々、国津神々、我が願いを聞き届け給え!!」
唱え終わると共に、柏手を打つ。
パン!
今の私に昔のような力は無い。
術を行使するには霊力の代わりに寿命を対価にする。
鬼となった私としても、ここまで年月が経った今持ちこたえられるか……
「祓え給え、浄め給え」
無惨の身体が光に包まれる。
「何だ、これは……私の体は……」
「身体が人に戻ろうとしているのですよ」
「白藤……?」