第72章 乞い願う、光を求めて
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「こちらが、お住まいですか?」
「ああ……」
予想外であった。
『食わせ者』で有名な道摩法師。
直接交渉するには、手間がかかると思っていたのだが。
「ふむ……」
見たところ、結界の類は見当たらない。
私以外の術者の出入りは無さそうだ。
道満は扇で口元を隠しながら怪しい笑みを浮かべる。
産屋敷は一流貴族の一角を担っている。
このままこの者を上手く使えば、産屋敷の一族に恩を売ることも、弱みに付け入ることもできるだろう。
どちらにせよ、こちらにとっては利しかない。
道満の腹の内を知らない舞山は彼に白藤を引き合わせた。
と言っても、白藤は臥せっていたので、舞山と道満が几帳越しに彼女の様子を見ていた。