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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第72章 乞い願う、光を求めて


縹色は従六位以下の装束。


対して舞山は深緋の衣冠束帯を身に纏っている。


階級としては舞山の方が二つ上の従四位。


とはいえ、舞山の父や従兄弟は左大臣付きの参議や中務省で権中納言など、出世街道を歩んでいる。


それに比べて、生まれつき虚弱であった舞山は内裏に出仕を開始する頃になって、一族から爪弾きにされた。


屋敷を追い出された舞山は、伸し上がるつもりで自ら進んで勉学に勤しみ、遅れを取り戻そうと死に物狂いで書物を読み漁った。


けれども、必死になったのは支えてくれる彼女のためでもあった。


私に就いて来てくれた、ただ一人の使用人。


白藤。


彼女を安心させたい。


私がある程度の地位になれたなら、彼女を自由にしてやりたい。


それが、舞山の望みであった。



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