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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第76章 違えし縁


あの日、白藤が出産の為にと逗留(とうりゅう)先に炎柱邸へ訪れた折に彼女に喝を入れられるまで、私は本当に腑抜けだったのだろう。



無気力で、無関心で。



酒だけが、心の拠り所になっていた、ちっぽけな自分自身が一番、許せなかった。



杏寿郎にも、千寿郎にも、本当に申し訳ないと思っている。

自分だけが悲しみの深みに囚われていたのだとばかり……

母親を亡くした息子達とて悲しくない訳が無いのに。


「父上!!」

「輝利哉……勤めを果たしなさい……後は、頼んだよ……」

「そんな……」


御館様は瞼を閉じると、そのまま眠るように意識が途絶えた。


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