第14章 好きって何ですか?$(冨岡裏)
見る位置が変わると紋様の見え方も変わる柄は、よく目を凝らせば藤の花の様にも見える。
「もしかして、藤ですか?」
「お前の名と同じだろう」
『お前には藤がよく似合う』
昔、誰かに言われた様な気がする。
でも、その頃よりも。
今、この人に名に因んだ贈り物を貰えたことが嬉しいと。
「………ありがとうございます///」
「?、おい…」
贈り物など、初めてだ。
所詮は鬼と蔑まれ続けた中で、この人だけは私を人として扱ってくれたのだ。
-了-
ギヤマンとは江戸時代に彫刻を施したガラス細工のこと。
ダイヤモンドを使用して細工することからダイヤモンドそのもののこともギヤマンと称していたことがあるそうです。
まあ、作者が書いたのはギヤマンよりもおはじきに似たびいどろと呼ばれるガラス工芸なんですが。
ギヤマンのが夢がある呼び方だなと選んだまでです。
冨岡さんなら女性に対して尽くしてくれそうですよね。
勝手な妄想ですが。