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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第75章 折れない心


『お前の渇きは私が抑える』


その言葉通り、渇きが収まった。


「日の呼吸……」


不味い。

炭治郎の次の攻撃が……


「惑血 視覚夢幻の香」


珠世の技のお陰で鼻のいい炭治郎の注意が逸れた。

炭治郎の視覚は花の幻影に囲まれている筈。

どうにか炭治郎の注意を引きつけなければ、柱達の命に関わる……


「魅了」


この術を使ったのは久しぶりだ。

元々は相手に取り入るための術だった。

それが今代の柱達は不要だといい、そのままの自分もを受け入れてくれる恋人もできた。

これだけ恵まれていて。

自分が鬼だと忘れてしまう程に。



鬼だからこそ、他人を騙す。

鬼だからこそ、嘘をつく。

鬼だからこそ、生を食らう。



それが当たり前だ。

ずっと、そうだった。

炭治郎君、今君の目には誰が写ってる?

嘘つきな私の、血鬼術で貴方は誰の夢を見るのだろうか。

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