第75章 折れない心
「……お兄ちゃん!!」
「禰󠄀豆子ちゃん?」
駆けつけてきた妹は今度はしっかり言葉を発していて。
「何をしている!!」
道満が刀印を高らかに掲げる。
「臆するな、温羅よ。そなたの実力は既に無惨を超えている。望むままに、力を発揮すれば良い」
道満は鬼殺隊に刀印を向ける。
「雷を我が手に!!」
その言葉の通り、道満の弓手(ゆんで)に雷光が揺らめく。
「温羅よ、新たに加護を授けよう」
雷光が炭治郎の背に突き刺さると、たちまち彼の周りで火花が散り始めた。
ゆら、とふらつくような足取りに見えた。
その刹那。
「ヒノカミ神楽……」
煉獄の炎とは違う輝きの赤い炎が炭治郎の周りに現れる。
「ダメよ!炭治郎!!」
意を決し、カナヲも声を上げる。
「灼骨炎陽!!」
このままでは皆巻き込まれてしまう……
「水の呼吸 拾壱ノ型 凪」