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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第75章 折れない心


「さぁ、温羅よ。その力を解き放て!!」

「ーー!!」


声になりきらない咆哮だけで冨岡を押し返した炭治郎。

まるで半天狗の分身体の様である。


「炭治郎!!」


冨岡が駄目ならばと。

無一郎が炭治郎に向かって行く。


「君があの時思い出させてくれたんだ!!僕が僕で居られるのは『炭治郎』のおかげなんだよ……」


鬼になったばかりの炭治郎は刀を振るうだけで、まだ技を行使していない……

今なら説得出来るかもしれない……


「炭治郎!!俺と伊之助の事も分かんないのかよ!!」


目尻に涙を溜めながら、善逸が炭治郎の間合いに入り込む。


「炭治郎!!お前は俺様の子分だろ!!」


善逸と伊之助が炭治郎の刀を抑え込む。


「お前、どうしたんだよ!!せっかく無惨がいなくなったのに、炭治郎が鬼になったら、禰󠄀豆子ちゃんはどうするんだよ!!」


「竈門少年!!こっちだ。君のことを皆待っている」

「…………」

「無駄だ。お前達の声は届かない……」

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