第75章 折れない心
転がった道満の首には、赤々とした血液が付着している。
パタ……
パタタ……
首が転がる度に、血液が周囲に付着する。
不気味な光景に善逸が悲鳴をあげる。
「ぎゃあああ!!何あれ!!やだァ!!動いてるゥ!!」
いち早く逃げる善逸。
その様子を眺めていた炭治郎は気付かなかった。
道満の首が何をしようとしていたのか。
はたと気が付けば、炭治郎の周囲に道満の首によって描かれた血液の円が完成していた。
突如として、炭治郎は周囲と隔絶される。
道満が描いた血液の円は結界。
術士の髪や血液など力の宿るものは術具としても使用される。
「何だ!?」
暗闇に閉ざされた空間で、炭治郎が叫ぶ。
「伊之助!善逸!皆どこだ!?」
「ここには私と貴様しか居ない……」
「無惨……じゃない、お前は、蘆屋道満……」
「ほう?なかなかに鋭いじゃないか……」
道満は不敵に嗤う。