第75章 折れない心
バッドエンド①↓↓↓
「兄ではなく、私はお前に……いや、忘れてくれ……今はただ、ひどく眠い……」
「…………」
「最後に……」
無惨が白藤に何か耳打ちしている。
「貴方様が望むのならば、如何様(いかよう)に……」
目を閉じた無惨の体が灰となり、空中に舞う。
少しして、白藤の体にその灰が吸い込まれていく。
「マジかよ……」
不死川が舌打ちする。
無惨は倒さなくてはいけない鬼殺隊の宿敵だ。
最強の鬼。
だが、その鬼が白藤に入り込んだということは……
俺たちは白藤を斬らなきゃいけねェのか。
刀を握ったまま、ドクドクと嫌に高まる鼓動を落ち着かせようとする。
「な……」
無惨の首とは反対に転げ落ちた道満の首が叫ぶ。
「巫山戯(ふざけ)るなぁぁ!!ここで終わって……何となる……!!」
何か、何かないか……
鬼舞辻よりも強靭な……
道満は、自らの意思で首を転がして辺りを見回すと二イと嗤(わら)った。