第75章 折れない心
あちらが神の軍勢ならば俺は鬼の軍勢を使役すれば良い。
そうだ、闇夜の象徴である月を階級にすれば良い。
陰と陽。
まさに真理だ。
下弦と上弦、六体ずつで十二体。
それでいい。
さて、鬼舞辻無惨は鬼の始祖。
鬼を増やし、率いる為の象徴だ。
だが、同士討ちで殺されてはならない。
ならば鬼舞辻の血に暗示をかけよう。
鬼舞辻無惨の名を出さないこと、無惨を殺すことが出来ないように。
問題は使い道の無くなったこの女房だ。
『生成り』という表現が一番近いのかもしれない。
鬼とも人ともいえぬ狭間の者。
ああ、そうだ。
ならこの女房にも暗示をかけよう。