第75章 折れない心
この二人を自身の手駒に出来ないか、と。
幸いなことに女房は薬師から渡された薬を飲み、人の道から半分外れた存在になっている。
傍付きの女房が絡めばこの男は何にでも首を縦に振るだろう。
筋書き通りに事を進められれば、俺は「鬼」を生み出せるということだ。
媚薬を使い、熱に浮かされた女房を主人が介抱する形で舞山の罪悪感を浮き彫りにさせる。
女房の変わり果てた姿を見て薬師に詰め寄り、そのまま彼に始末させ、死の穢れを背負わせる。
自責の念や嫌悪感、穢れは人の魂を汚(けが)す。
人の道から外すためには必要不可欠。
そうしてこの日、鬼舞辻無惨は誕生した。
この鬼は強くならなくてはいけない。
配下を増やし、鬼の軍勢を率いれなければ十二神将に太刀打ち出来ない。
そうだ、鬼にも階級を付ければ良いのだ。
階級高くなれば、より強くなれる。