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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第70章 咲くは朱なれど散るは白


「……ががァ……」



堕ちた。


蘆屋道満には分るのだ。




人間は脆い。



体はどんなに鍛えることができても、心を鍛えることは難しいからだ。



術士はその弱みを知っている。



その人間の欲するものを見分ける術を。


その隙間に忍び込む狡猾さを。



暗い瞳に一層黒い闇を纏わせて、蘆屋道満はクツクツと嘲笑する。



「炭、治郎……?」


さすがに様子がおかしいと気付いたのか、カナヲが怪訝な顔をする。


「離れなさい、カナヲ!!」


胡蝶の呼びかけと冨岡が炭治郎の刀を受け流すのはほぼ同時。


炭治郎の動きは水の呼吸を軸としている。


そのため、同門である冨岡が動き出しを予見出来たのだ。


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