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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第74章 誰がために…


鬼舞辻へかけた暗示が歪み始めている。

道満は内心で舌打ちをする。

今、鬼舞辻を殺させてはならない。

真の『鬼』を目覚めさせる為に。

鬼舞辻は所詮、傀儡(かいらい)でしかないのだ。

私は蘆屋道満。

幾星霜を生き抜いてきた、法術使い。

私の配下には、より強い者を配さなければならない。

何故ならば、私こそがこの国を『統べる者』になるからだ。



今ここに、憎き安倍晴明は居ない。


鬼舞辻を仕留め損なったあの忌まわしい剣士も居ない。


柱とやらがいくら束になろうとて、所詮は人だ。


どうとでも出来る。


たとえ死した人間でも、使い道がある。


私にかかれば、死霊も鬼も、同列だ。


神でさえも使役する力を有しているのだから。


故に、恐れるものは何も無い。

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