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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第74章 誰がために…


私の体はもう、そう長くは持たない。

わかるのだ。

咳が重くなってきていることを。

熱がなかなか下がらず、体力が落ちていくことも。

これではまるで自分は彼女の足枷でしかないでは無いか。

私がたとえ、あと数年生きながらえたとしても、彼女を……

「お兄様、お加減如何(いかが)ですか?」

水桶を私の寝ている褥(しとね)の枕元に置き、私の額に彼女の手が触れる。

「まだ少し熱いようですね……」

「白藤の手は心地よいな……」

「ふふ、お兄様ったら……」

擽(くすぐ)ったそうに笑う君が。

君のことが。

たまらなく、くるおしいほどに……

欲しくてたまらないのだ。

何と浅ましいのだろう。

足枷でも、それでも、其方の横に在(あ)りたいと。

「白藤……」

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